サヨナラニッサン!:新型ノート試乗してみた
サヨナラニッサン!:新型ノート試乗してみた
サヨナラニッサン!:新型ノート試乗してみた
妻はもう足掛け20年ほど、ニッサン・マーチを乗り継いでいる。マーチは独自のプラットフォームに、サイズに見合った合理的なパッケージとデザインを纏った、ほんとによくできたクルマ。特に現在も妻が乗っている先代マーチは、エクステリアデザインが個性的で素晴らしく、いつも惚れ惚れと見とれてしまう。妻がクルマを買い換えるなら、私が妻のマーチを乗り継ごうかな~、と思っているくらい。

妻としては、さすがにマーチは飽きた!とのことで、次は別のクルマを探すべくたくさん試乗してみようということに。マーチは候補外だが、今日はノートのニューモデル発表の日でもあるし、付き合いの長いニッサンの営業マンにアポをとってノートを試乗させてもらった。

第一印象は、デカい……。容姿は地味~で、すぐには覚えられない。ぐるっと見てまわって、目を離して3秒もすればもう思い出せないくらい。見た目は魅力ゼロ。インテリアもそっけない。シートはさすがにルノー・ニッサングループだなと思わせる感じの良いものだったが、あとはベニヤにチープな壁紙を貼ったような雰囲気で、室内が広いだけに寒々とした空気を感じてしまった。

まずは妻が運転。シートは心地よく、静粛性も十分。運転している妻の反応は鈍い。信号待ちの度にエンジンがストップするアイドリングストップ機能がついているので、それを初めて経験する妻はとまどいもあるようだ。可もなく不可もなく、というところなのだろうか。

私も運転してみる。アクセルを踏むか踏まないかのところでエンジンがブルルンッと始動し、加速する。と、加速中の振動がとても気になった。もしかしてと思い、同乗の営業マンに「これ4気筒ですか?」と聞くと、「3気筒です」とのこと。新しいノートはすべて1200ccの3気筒エンジンに、スーパーチャージャー搭載したグレードと搭載しないグレードがあるとのこと。試乗車はスーパーチャージャー付き。エンジン始動時から加速時の振動は、ちょっとガサツな感じがした。同じ3気筒・アイドリングストップ機能付きのマーチでは振動は気にならなかったのだが。重さやミッションの設定が関係するところなのだろう。センターボードにスーパーチャージャーのON/OFFスイッチがあり、入れたり切ったりしてみたが、街中の試乗程度では違いはあまりわからず。

降りてから妻に感想を聞いてみると、直進しているときは安定しているのに、コーナーでグラっと頼りない感じになるのが気になったとのこと。あと、アイドリングストップはちょっと不安を感じるという。これは慣れてくれば払拭できる感覚だとは思う。私も新型ノート試乗に関しては良い印象はなく、これが新しいモデルなの?と疑問符ばかり。やっぱり新型はいいわね~、という感じがまったくしないのだ。

最後にラゲッジルームと後席のチェック。ラゲッジルームはこのサイズのクルマとしては狭い。だが、後席を見てびっくり! これは広い。170cm弱と小柄な私が足を組んでまだ余裕が足元にある。う~ん、広いことはいいことだが、もうちょっとリアシートを前進させて、ラゲッジルームを広げたほうが使い勝手がいいのでは、と感じた。リアシートにチャイルドシートを付ける場合、子どもを乗せたり降ろしたりする際には有利だとは思う。でもそのことだけを優先して考えるなら、ワンボックスカーにはかなわない。パッケージにも中途半端さを感じてしまう。

装備関係でも?があった。横滑り防止機構はオプション設定で、いちばん下のグレードにはオプション設定もない。何よりも驚いたのがHIDヘッドライトの設定がオプションでも用意されていない! 妻が乗っている先代マーチはオプションでHIDにしてもらっている。今後、HIDなど視認性アップの安全装備はどんどん標準装備になっていくはずなのに。コスト削減も大事だが、安全性を犠牲にして価格を下げる今のニッサンの方向性は、賢くないやり方ではないか。

以前は同じプラットフォームでティーダとノートが存在した。ノートはティーダと同じホイールベースながらコンパクトなボディサイズで、見た目もカッコよくて好感を持っていた。今回のモデルチェンジでやたらとデカくなったのは、日本ではティーダはなくなり、新型ノートがティーダのポジションに収まる感じらしい。

「日本では」と言ったのは、海外では新型ティーダが去年から発売されており、特に中国では人気になっているらしい。価格がリーズナブルで信頼性も確保されているところが人気の理由だろう。だが、あまりにも”楽しさ”を排除した現行マーチを見たときにも感じた「ニッサンはルノー・ニッサングループの途上国担当じゃないか」という考えを、新しいノートを見てあらためて持つに至った。グローバルな企業として当然の戦略かもしれないが、ファンとしては寂しい気持ちになってしまう。

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