ラルフ・E・ラップ著『福竜丸』
2011年12月21日 読書
原題が『The voyage of the Lucky Dragon』という古書を読んだ。広島、長崎に続いて被曝した日本人の物語。アメリカのラルフ・E・ラップ博士が関係者への取材を重ね、驚くべき構成力で福竜丸の航海の模様、被曝の瞬間、その後の日本社会の動揺を克明に描いている。公平な立ち位置を保ち、極めて客観的に書かれた価値ある資料だと感じた。当時はまだ戦争の記憶も生々しく、日本人にとって原子力、放射能は理解を超えた恐怖以外の何ものでもなかったことが読み取れる。そして、福竜丸の事件に日本中が心を痛めたことがわかる。
この本では触れてないが、その福竜丸の事件があった当時、すでに原子力発電所の計画が具体的に進められていたのだ。福竜丸の事件が起きて、原発計画は下火になるどころか、加速していくことになる。「原子力の平和利用」というスローガンの下に。福竜丸のことでも核の恐ろしさを見せつけられた日本が、原発大国へと歩みを進めたのはなぜか。だんだん、見えてくることがある。
この本では触れてないが、その福竜丸の事件があった当時、すでに原子力発電所の計画が具体的に進められていたのだ。福竜丸の事件が起きて、原発計画は下火になるどころか、加速していくことになる。「原子力の平和利用」というスローガンの下に。福竜丸のことでも核の恐ろしさを見せつけられた日本が、原発大国へと歩みを進めたのはなぜか。だんだん、見えてくることがある。
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