とても印象的だったライフスタイルプロデューサー
2003年の西武そごうのお中元ギフトカタログの編集に携わったとき、パトリス・ジュリアンに取材して話をうかがうことができた。ギフトカタログの合間に入れる著名人のコラムであった。私は人選には関わらなかったが、他にはたとえば平野レミとか岸朝子とか、そういうパターン。取材して気がついたのはパトリス・ジュリアン氏に語ってもらうには、こういう俗っぽい案件では無謀だったということ。

ジュリアン氏のコラムの対向ページには、どこぞのシェフによるイタリアングルメのレトルトセット。ジュリアンさんはいきなり「電子レンジは食べ物をまずくする機械です」とぶちかましてくれて、私は、お! この方はなんて話のわかる人なんだろう! とその一言で彼にぞっこん。コラムを無難にまとめるにはどうしよう、と頭の半分で考えながらも、彼が何を話してくれるか興味津々。で、まとめたのが写真のような記事。お中元を語るのにマクルーハンを持ちだしてくれるなんて、ほかのおばちゃまタレントとは一線を画すキャラの立ったコーナーになった♫

当時はパトリス・ジュリアンのお店が白金台や恵比寿、横浜のクイーンズスクエアにあった。恵比寿や横浜のカフェにはよく行った。自宅でもあった白金台のパン屋は評判だったが、私は結局行かず仕舞い。しばらくしてからパトリス・ジュリアンは飲食業からはいったん撤退したらしく、お気に入りの恵比寿のお店も変わっていた。あとから知ったが、現在よくあるおしゃれな写真をフィーチャーしたレシピ集やグルメ本など、数十年前に彼が作った本のフォロワーなんだ。そういう意味でも日本に新たな文化やセンスを持ち込んでくれたエポックメイカーの一人。

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