中学時代は盛岡市とはいえ、ほとんど店もないいなか暮らしだったので買い食いという習慣はなかったが、街中にある高校に通うことになり、高校時代は自分で適当にものを買って食べたりするようになった。とはいえ、お小遣いがたくさんあったわけでないので、自宅から通っていた1、2年生のころは母親に弁当を作ってもらっていた。その弁当はだいたい1時間目か2時間目が終わったところで休み時間にガガーっと早弁。そしてお昼にお腹が空くと、適当にパンなど買って食べたりしていた。

このときお世話になったのが「福田パン」。盛岡の人ならだいたい知っている、大きめのコッペパンにさまざまなネタをサンドしてくれるアレ。福田パンの店舗が一高から近かったので、昼休みによく自転車で買いに行った。「福田パン行きます」というと先輩や友だちからもよく注文された。私が好きだったのはツナやコンビーフのポテトサラダ入りというやつやブルーベリークリーム。サイズが大きいので1つで十分だったが、たくさん食べたいときは2つ買う。それでも1つ100円前後の値段でリーズナブル、一高生の間でも大人気だった。

忘れちゃいけない一高生御用達といえば「白龍」のじゃじゃ麺。ここは岩手公園のたもと桜山神社近くのレトロな商店街の一角で、一高からは遠かったので平日の昼に行くのは無理。だいたい土曜日の昼に友人と行っていた。最初に連れられて行ったときは、ふーん、という感じ。なんかピリっとしないなと思っていた。でもあの狭くて古ぼけた店にみんなで繰り出すという行為が楽しくて、誘われると「行こう行こう」と嬉々として食べに行っていた。そのうちに酢をたくさん入れる技を発見して、それからは味にもハマり、やめられなくなった。人によってアレンジが違うのだが、私の場合は酢が決め手だった。ここは一高生やOBがよく集まる店で、帰省した際に食べに行くと、誰かしら友だちや顔見知りと会ったものだ。

三軒茶屋に7年前くらいにオープンした「じゃじゃおいけん」という店があって、ここがいい感じの盛岡じゃじゃ麺専門店。もちろん店主は盛岡出身。「白龍」と同じ感じのじゃじゃ麺が食べられる。今では「じゃじゃおいけん」のほうが美味しいかも。二子玉川に住んでいるときは、仕事の帰りにわざわざ三茶で途中下車して食べに行っていた。週に1度通っていたときもある。最後の鶏蛋湯を飲み干したときの幸福感は最高。やっぱりここも盛岡出身の人が集まるようだ。

高校3年は寮生活だったので、昼は弁当がなく、どこかで昼飯を調達していたはず。頻繁に行っていたのは校舎から近い、盛岡上田郵便局のとなりの2階の喫茶店。おしるこの高島屋の向かい辺り。現在は道が拡張されて、建物自体がなくなっているようだ。もう店名も覚えてないが、ここはバンド仲間に教えてもらったと思う。小さい店で、テーブルの代わりにアーケードゲームが6台ほど置かれていた。ゲームやる人もやらない人も、ゲーム台をテーブル代わりにするという昔よくあったスタイルだ。ここのナポリタンとシーフードスパゲティが美味しくてボリュームがあって、大のお気に入り。また、ゲームをプレイして何万点以上出すとドリンク1杯無料というサービスがあって、私はいつも50円でハイスコアを出してドリンクを頼んでいた。ゲームは「マッピー」か「ザ・ビッグプロレスリング」なら百発百中。「エレベーターアクション」は微妙だったかも。

ここの喫茶店は有線放送がかかっていて、よく店内の公衆電話でリクエストをした。有線の電話番号にかけてオペレーターに曲名を告げると、数曲後くらいに自分がリクエストした曲が流れるのだ。ハービー・ハンコックの「Rockit」をこの喫茶店で初めて聴いたことをよく覚えている。他の高校に行った中学時代の同級生と音楽談義をしていて、その友人がハービー・ハンコックの新曲は凄い、度肝を抜く、とか力説していたそのときに有線から「Rockit」が流れてきて、友人が「あ、これ!」と言ったのだ。ヒップホップ知らなくて聴いたから、私もガーンときた。

ちょっと学校を抜けだしてはこの喫茶店には行っていたが、500円のスパゲティを毎日は経済的に無理なので、週に1度か2度くらいか。今だから言えるが、昼休みにスパゲティ食べに行って、午後の授業がやんなって出なかったとか、けっこうあったと思う。親元を離れた高3時代はかなり自由奔放にやらかしていた。

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