7月15日の朝日新聞「耕論」の佐々木宏さんの意見は噴飯物だった。「揚げ足取り癖に」という見出しで、ちょっとした失言をあげつらって有権者が政府をいじめの対象にしている、もっとポジティブな見方で評価できないものか、という趣旨である。そして、政府批判をしている人には『「じゃ、あなた、総理大臣やってみますか?」と言ってみたい』、とおっしゃっている。

菅直人の発言で問題視されている「消費税10%」に、なぜ有権者が怒っているのかというと、それは菅直人が職務放棄をしたからだ。彼のやるべきことは、財政を見直し、支出のムダを取り除き、スリムな体質にすること。それを約束して民主党は政権与党になった。ところが「消費税10%」発言は、そんなムダ削減はめんどくさいからやーめた、それよりも取れるところから取ってくればいいじゃん、ということ。

自分の部下にこれこれこういう方針で今回はこのコンペにトライしよう、このプロジェクトはキミみ任せるよ、と託したとする。その部下は自分なりに頑張ったつもりらしいが、プレゼンの準備がうまくいかず、なんの断りもなくプレゼンをすっぽかす。菅直人の「消費税10%」発言はそんな職務放棄と同じ。

佐々木さんはそんな部下を叱ったりしないのだろうか。そんな部下でも、うん、じゃ、他のコンペで頑張ろう、と言えるのだろうか。これは能力云々以前の、職務放棄なのだが。シンガタではそういうスタッフでもうまく使いこなしているのかな~。

佐々木さんが言っていた「じゃ、あなた、総理大臣やってみますか?」は、ヤバすぎる。プレゼンをドタキャンした部下が「じゃ、あなたがやればよかったじゃないですか?」なーんて言ったら、どうか。総理大臣は有権者から給料をもらって働いているのに、お金をもらっておいて仕事サボタージュして「じゃ、あなた、総理大臣やってみますか?」と言われた日にゃ~……。拳のひとつやふたつ飛ぶって。

ギリギリのところでお金を出しあっている有権者が佐々木さんの言うように、今の総理大臣にそこまで寛容にならなければならないものだろうか。今の日本の悲しいところは、この佐々木宏さんのように社会的立場の高い人々の危機感のなさだと思う。私は自分の能力のなさに打ちひしがれながらも、必死こいて仕事をこなし、少ない給料でなんとかやっている。一人ひとりが必死にやっているのに、国のトップに仕事やーめたと言われたら、もうがっかり、絶望しかない。追い打ちをかけるように一握りの裕福なオピニオンリーダーは、そんな総理大臣でも温かく見守って、ほめてあげて、とまで言っている。この国、気が狂っているんじゃん?

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