ドーピングへと駆り立てるのは、なに?
2008年7月17日 スポーツリカルド・リッコがドーピングでツール・ド・フランス失格。いや、すでに、今大会中に2人もドーピングによる失格者がいたのだが、今回はリッコということで、メディアも大々的に取り上げている。ファンとしては、また? なんで? 毎年毎年、有力選手がドーピング問題でレースから去っていくことに、いやレースだけでなくスポーツ界から去っていくことに、すごく悲しい気持ちになっている。
リッコは、ドーピング検査で、持久力向上効果のあるエリスロポエチン(epo)の陽性反応を示したため、失格。エリスロポエチンは酸素を運ぶ赤血球を増加させる薬品。酸素を多く血液中に運ぶことにより、疲労の原因となる乳酸濃度を抑えるため、持久力向上を図ることができる。エリスロポエチン摂取をドーピング検査で特定することが難しかったため、近年、持久力が必要とされるスポーツにおいて、ドーピングの定番だった薬品。
なぜ、スポーツでドーピングはダメなのか。スポーツは人間の限界に挑戦するものだから、みんなでドーピングして競えばいいじゃないか、ということを学生時代に友人から言われたことがある。私は、それは違う、と即答できた。スポーツはある条件の下で勝敗、優劣を競うものだが、命を賭けてはいけないのだ。ドーピングは命を削るものだ。オリンピックの起源といわれる、古代ギリシャにおけるオリンピアの競技会。当時は都市国家間の争いが絶えない時代だったが、4年に1度、武器を捨てて、命を賭けてしまう戦争ではなく裸でぶつかり合い勝敗を決めようと申し合わせた。命を賭けずに決着をつける、これがスポーツの精神だと思う。スポーツは命を賭けてはいけないのだ。
モスクワ五輪競泳で3つの金メダルを獲得した、東ドイツの女子水泳選手、バーバラ・クラウゼは、後に奇形児を産んだ。当時の東ドイツチームは、選手には知らせず筋肉増強剤を与えていた。クラウゼ以外にも奇形児を産んだ水泳選手がいたようで、通常では考えられない確率で奇形児が産まれており、ドーピングの影響とされている。またステロイドなどの筋肉増強剤は精神面への悪影響もよく知られるところだ。プロレスなどの格闘技系で若くして亡くなる例は、どうしてもドーピングを連想してしまう。
もちろん、なかには人体に悪影響のない薬品もあるかもしれない。実際、エリスロポエチンは腎性貧血に使われる薬品で、副作用は特に問題ないとされている。ただし、スポーツはルールという条件の下で競われるもの。人体に悪影響がない薬品の使用でもそれを認めてしまっては、公正な競争を損ね、薬の乱用につながってしまう。厳格に対応しないといけないことだと、私は思う。
現在では、ドーピングに対する制裁は非常に厳しいもので、ドーピングをするということは選手生命をおびやかす大きなリスクを抱えることになる。それはみんな、すごいわかっているはず。それなのに、ツールで毎年、ドーピング違反選手が現れるのはなぜなのか。勝利によって歴史に名を残すという名誉なのか。勝利とは、名誉とは、選手にとって命よりも重要なものなのだろうか。私はスポーツが好きで、選手と共感して感動を味わっているつもりだが、勝利と名誉の味というのは、選手本人にとってはそれほど計り知れない、大きなものなのだろうか。
リッコは、ドーピング検査で、持久力向上効果のあるエリスロポエチン(epo)の陽性反応を示したため、失格。エリスロポエチンは酸素を運ぶ赤血球を増加させる薬品。酸素を多く血液中に運ぶことにより、疲労の原因となる乳酸濃度を抑えるため、持久力向上を図ることができる。エリスロポエチン摂取をドーピング検査で特定することが難しかったため、近年、持久力が必要とされるスポーツにおいて、ドーピングの定番だった薬品。
なぜ、スポーツでドーピングはダメなのか。スポーツは人間の限界に挑戦するものだから、みんなでドーピングして競えばいいじゃないか、ということを学生時代に友人から言われたことがある。私は、それは違う、と即答できた。スポーツはある条件の下で勝敗、優劣を競うものだが、命を賭けてはいけないのだ。ドーピングは命を削るものだ。オリンピックの起源といわれる、古代ギリシャにおけるオリンピアの競技会。当時は都市国家間の争いが絶えない時代だったが、4年に1度、武器を捨てて、命を賭けてしまう戦争ではなく裸でぶつかり合い勝敗を決めようと申し合わせた。命を賭けずに決着をつける、これがスポーツの精神だと思う。スポーツは命を賭けてはいけないのだ。
モスクワ五輪競泳で3つの金メダルを獲得した、東ドイツの女子水泳選手、バーバラ・クラウゼは、後に奇形児を産んだ。当時の東ドイツチームは、選手には知らせず筋肉増強剤を与えていた。クラウゼ以外にも奇形児を産んだ水泳選手がいたようで、通常では考えられない確率で奇形児が産まれており、ドーピングの影響とされている。またステロイドなどの筋肉増強剤は精神面への悪影響もよく知られるところだ。プロレスなどの格闘技系で若くして亡くなる例は、どうしてもドーピングを連想してしまう。
もちろん、なかには人体に悪影響のない薬品もあるかもしれない。実際、エリスロポエチンは腎性貧血に使われる薬品で、副作用は特に問題ないとされている。ただし、スポーツはルールという条件の下で競われるもの。人体に悪影響がない薬品の使用でもそれを認めてしまっては、公正な競争を損ね、薬の乱用につながってしまう。厳格に対応しないといけないことだと、私は思う。
現在では、ドーピングに対する制裁は非常に厳しいもので、ドーピングをするということは選手生命をおびやかす大きなリスクを抱えることになる。それはみんな、すごいわかっているはず。それなのに、ツールで毎年、ドーピング違反選手が現れるのはなぜなのか。勝利によって歴史に名を残すという名誉なのか。勝利とは、名誉とは、選手にとって命よりも重要なものなのだろうか。私はスポーツが好きで、選手と共感して感動を味わっているつもりだが、勝利と名誉の味というのは、選手本人にとってはそれほど計り知れない、大きなものなのだろうか。
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