東洋大姫路のアン投手はベトナム人だそうだ。いわゆる難民、ボートピープルとして日本に辿り着いた両親を持つ、ほんとにベトナム人。その彼が野球の名門校でキャプテンを務め、春の甲子園でもベスト4までチームを導いた。

自由を求めて祖国を捨てて日本に来た両親。アン投手の夢をかなえようと支えてくれる12歳上の兄。どう考えたって、日本社会で難民の子がやっていくのは至難の技だろう。ベトナムからのボートピープルは九州や中国四国地方になんとか居場所を見つけて暮らしているようだが、その多くはほんとに底辺の生活をしていると思う。その中からアンのような人間が出てきたのは、素晴らしい、賞賛に値する。

日本の社会というものを考慮すると、アン投手の現在のポジションは、ほんとに彼の努力と家族の支えによるもので、日本社会の寛容さや懐の大きさではまったくないはず。虐げられ虐げられた中から、それでも負けないで野球を続け、エース、キャプテン、そして甲子園での勝利をつかんだ彼を、どう言ったらいいのだろうか。彼の夢、プロ野球選手、野球を仕事として両親、家族のために働きたいという夢、彼なら必ず実現させると思う。だが、偏狭な日本社会が、くだらない理由で彼の夢を邪魔しないことだけを、今は祈る。頑張って頑張って、絶対、日本を代表する、そして世界で活躍できる大投手になってほしい。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索