自分では、無理

2001年1月31日
ケイコとは話し合って、精神カウンセラーにかかることにした。
私もつくづく自分がイヤになっているし。自分に自信がないし、
刹那的である。なんというか、今まではそういう自分でもいいんだ
なんて思っていた。いや、いいのかも。でも少なくともケイコには
受け入れてもらえないみたい。

私はなんでも「つもり」で生きているとのこと。えっと、仕事して
いる「つもり」。結婚生活している「つもり」。ありゃ、他には?
あれ? そうだなー。仕事に限っていえば、私は人との付き合い
がとてもとても苦手で、性格的にも内向的で、とても今の
編集などという人と人とをコーディネイトするような仕事は
向いていないのかも。でも、私は高校生ごろから、そういう
人とうまく付き合えない自分がもどかしく、なんとかがんばって
外とコミュニケーションを取ろうとがんばってきた。そのせいか、
今はなんとかこの仕事をやっている。つまり、私にとって、
仕事をしている私は、本当の自分とはまったく違う、その
役割を演じている私なのだ。それは確かに「つもり」っぽいよなー。

私にとって「つもり」を取り除くと、ほんとに矮小で惨めな
存在があるだけ。いや、それが真の私の姿なんだと思う。
自分でもそういう真の姿がイヤで、確かにことあるごとに
現実から逃げてきたと思う。大学は教育実習に行って、
卒論も書いて、あと数単位そろえば卒業だったけど、
大学やめた。仕事も数年ごとに転々とした。私としては、
その時その時で私なりの決断をしたつもりだけど、ケイコから
すると人生舐めているっつーこと。いや、そう言われても
そうなんだと客観的にはわかる。

一人暮らしだと気にならなかったこういう卑屈な自分が、
今はとってもイヤで、自己嫌悪。カウンセラーに外側から
見てもらって、なんとかこれから生きていく光を見つけたい。

あと、やっぱし、もしケイコとやり直すにしても、セックスレスじゃ
絶対続かないと思う。この原因究明と打開策があるのかどうか。
2人でカウンセラーに相談しに行くことにした。

宇宙依存症な私。これもケイコの我慢できないところ、みたい。
宇宙って、私だけの世界で、なんか小さくてカッコ悪い私が、
なんか伸び伸びできちゃう世界だった。だからハマった。
でもケイコからすると、現実の世界でろくに生活もできない
くせに、そんな世界に逃げ込んじゃって、とのこと。そういう
自分だけの世界を持つことができるのは、現実でもちゃんと
生活できている人だけが許される、とのこと。

見解の相違? まーいーや。なんつーか、自分を幸せにできない
ばかりか、1人の女性も幸せにできない私は、今のところ、
何を言われても反論できない。いろいろ考え込むだけ。

とにかく宇宙からは撤退。数ヶ月後には復帰したいけど、どうかな。
この日記もやめようと思ったけど。なんとなく、自分の考えた
切れ端を書いておこうと思う。でも、ブックマークしてくれた
みなさんには申し訳無いけど、こちらからのブックマークは
一度、全部、解除することにした。秘密メモには個人的なこと
書こうっと。もともと日記は他人に見せるものでもないし。
でもいつか見られてもいいか、ぐらいで、いい。

映画とか音楽とか、小説とか絵とか、そういうことここでは
書こう。そうだ、久しぶりにSF小説の話しができたので、
うれしいから、私の読んだSF小説(長編)のベスト!
昔、叔父に本を読んだら感想文を書いておくべきだよ、
って言われた。遅まきながら、いろいろ書いておこ。

「第四間氷期」安部公房
私のSFベスト。この小説は日本版「地球幼年期の終わり」。
アーサー・C・クラークは地球幼年期の終わりを地球外からの
刺激により達成させたけど、安部公房は人類自身で解決したところが、
すごい気に入っている。その方がリアリスティックだし、わかり
やすい。多分、安部公房は不条理ものの作家として世界に紹介され、
世界中で多くの読者に親しまれているのだと思う。でも「砂の女」
や「壁」だけでなく、この「第四間氷期」に魅了された海外の
読者も必ずいると思うなー。この小説を読みながら、マイク・
オールドフィールドの「アルハンブラ宮殿の想い出」を聴くの
が大好きだった。すんごいピッタリだった! 私の感覚からする
と、この小説とこの音楽は、すんごいピッタリだった。こういう
レアな経験ができたという意味でも、この小説、ベスト♪

「死者の代弁者」オースン・スコット・カード
エンダー3部作の真ん中。「エンダーのゲーム」は私にとっては
わりとあっさりしていた。でもこの真ん中を読んで、あー、納得、
という感じ。いいねー、すんごく思索的。SFをスペキュレイティブ・
フィクション、という言い方は好きではないが、この作品は
とっても思索的で思想にあふれていて、楽しかった。ドキドキした。

「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス
私も泣きました。もう、途中から、あのどんどん遠ざかって
いくところから、涙が止まらなくて止まらなくて。泣きつづけた。
これ、ヒューゴー・ネビュラのダブルタイトルものだし、
紛れもなくSF。でも設定のわかりやすさから、SFファン以外
の広い読者に受け入れられたのも、私はうれしい。これは
思いっきりギュッと抱きしめたくなるような、お話し。

「天の光はすべて星」フレデリック・ブラウン
上のアルジャーノンが女の子向きだとすると、こちらは男の子向き。
こういう言い方は確かにどうかと思うが。でもアルジャーノンは、
女性の母性本能に訴えるというか、すごい女性が共感できる作品だと
思う。そして、こちらは男のロマンに響く(笑)。つまり、映画
「ライトスタッフ」や「オネアミスの翼」と同じテーマ。ちょっと
宇宙に行くまでのプロセスがオネアミスと同じく、リアリティに
欠けるとは思う。が、「天の光はすべて星」! 原題は忘れた
けど、このタイトル、すんごい、すばらしい! 私もまだ宇宙
飛行士、もしくは宇宙に出ることを夢見ている。そういう人間の
琴線に響くなー。このタイトル。ズバリ! あと、まだ東西冷戦
真っ只中に書かれた作品だと思うけど、その冷戦が終了して、
東西の緊張がなくなった世界、という設定を、読んだときは
フィクションということもあり読み流したが、その後のベルリン
の壁崩壊を目の当たりにしたとき、思い出して、ビックリした。
SFってよく未来を的確に予言(?)することがあり、これも
そんな感じかな。
そうそう、かいちゅうさん、私の友人の間では、タルコフスキーは
寝るからいいのだ!ということになっています(笑)。
タルコフスキーの映画はわからなくていいんだと思います。
彼自身、映画は芸術だというコンセプトで作っていたとのこと。
芸術って頭でわからなくていいと思う。感じることができれば。
ということで、友人と2人で劇場でも爆睡してきました。
とっても気持ちがよかったですよー♪



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